劇団あたまごなし旗揚げ公演『アリババが四十人の盗賊』の概要を、書ける範囲で書いておく。
なお、「http://www.geocities.jp/atamagonashi_574/」に劇団のサイトが開設された。
担当者がまだコンテンツ作成中だが、2、3日中には完成させるとのことなので、そちらも参照されたい。
とにかく、今月14、15、16日、夕方6時半、鹿児島市の桜島行きフェリー埠頭に全国から結集のこと。一般2500円、中高生2000円(片道フェリー代込み)。
なお、先日書いた、事故った役者の代役はなんとか決まった。
あと、ワンシーンだけ登場していろいろ笑いをとる重要なチョイ役が実は最後まで決まらず、結局それは私がやることになってしまった。外山恒一、ついに役者デビューである。見逃すな。
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劇団あたまごなし「アリババが四十人の盗賊」
鹿児島では少なくとも10年以上ぶりの、地元発信の野外テント芝居。
劇団あたまごなしは、昨年夏に鹿児島在住の3人(10数年前まで東北でテント劇団を主宰し現在は鹿児島で居酒屋店主の谷口和成・54歳、異端の政治活動家としていろいろあって現在鹿児島に亡命中の外山恒一・35歳、高校時代から鹿児島の演劇シーンに深く関わってきた川上昇時・30歳)が、「とにかく鹿児島の演劇、いや演劇だけでなくあらゆる表現は停滞しきっている、我々が何とかしたらなあかん」と意気投合して結成。谷口が演出、外山が脚本、川上が役者集めを担当し、今回いよいよ第一回の公演にこぎつけた。
19歳から42歳までの役者10名ほどのうち、ほとんどは鹿児島在住だが、京都と島根県隠岐からも1人ずつ参加。役者初体験の者もほぼ半数を占める。
そもそもどうして野外芝居・テント芝居なのか。
既成のホール等で芝居をやろうとすると、そのホールの構造や設備によって演技や演出のスタイルや、「やれること」が制約されることは避けられないし、また会場使用の時間的制約もある。そういうものに縛られない表現を模索するなら、会場そのものを自分たちでゼロから創り出すところから始めるしかない。
今回は桜島某所(市の所有地)を、役所に交渉して借り切り、公演の1週間ほど前から役者たちが現地に資材を運び込み、自分たちの手で客席や舞台をせっせと建設する。
内容については、詳しいことはネタバレになってしまうので書けない。
書ける範囲で書くと、まず会場はあくまでも「桜島某所」としか公表しない。
観客は、当日夕方6時半に桜島行きフェリー埠頭に行けば、劇団員がノボリを持って待機しているので、その引率によって6時40分発のフェリーに乗船すればよい。フェリー出港時刻の関係上、集合時間に遅れると、今回の芝居は物理的に観られないから注意。
桜島側に着き、フェリーを降りると、劇団が用意した大型バスが待機している。観客は、それに乗って会場まで移動することになる。(芝居はナマモノなので、その日のテンションその他によって上演時間に多少の伸び縮みはあるが、遅くとも10時くらいには帰りのバスも出す。もっとも、必ずしもその日じゅうに帰らなくてはならない用事のない客は、そのままテントに泊まっていくことも可。初めから泊まる気満々の人は、毛布や寝袋の持参をお勧めする)。
一応、演目はオリジナル作品「アリババが四十人の盗賊」(「と」ではなく「が」)であり、このタイトルからどのような内容を予測するかは人それぞれだろうが、おそらくどの予測も外れるだろうと思われるほど、ちょっと「あり得ない」内容の芝居ではある、としか書けない。
テーマとしては、「なぜわざわざ芝居なんかやるのか」「芝居の可能性とは何か(あるいは実は可能性なんかないのか)」といったところ。ここでいう「芝居」は、音楽や詩・小説など他のあらゆる「表現」に置き換えて考えてもらってもよい。社会派性、メッセージ性はかなり強い。
いわゆる「アングラ演劇」「前衛演劇」「実験演劇」に分類されるのだろうが、一応(?)エンタテインメント性も同時に追求しているので、芝居を観るのが初めての人であってもとくに問題ない。
鹿児島で芝居に関わっている人には全員に観てほしいし、音楽をやったり詩や小説を書いたり、絵を描いたりオブジェ等作ったり、その他さまざまな表現ジャンルで模索を続けている人にも全員に観てほしい。また、とくに自分が現在何か「表現」にたずさわっているわけではなくとも、鹿児島(あるいは九州、あるいは日本、あるいは世界)の現状に何か違和感やイラ立ちを持っていたり、なんかもっと面白いことはないのかと飢餓感を持っていたりする人にも、全員に観にきてほしい。
なお、すでに少し書いたとおり、野外芝居・テント芝居では会場を思いっきり自由に使えるという利点がある。芝居が終わったからといってすぐにその場を撤収しなければならないというようなことがない。
終演後は、会場でそのまま飲み会に突入する。役者・スタッフとその日の観客とが、時間無制限で心ゆくまで語り合い、交流できる。そういう場から、今後こういうことをやろうよ、などといった話が盛り上がることもある。劇団側と観客側の間だけでなく、その日その場でたまたま居合わせた、見も知らぬ観客同士でそういう話になることもある。そもそも今回の劇団結成も、実は昨年夏に別のそのような場でそのように盛り上がって始まったものだったりする。
芝居が終わったからといってすぐ帰ったりせずに、残って飲む、というのがテント芝居を観る際の「基本中の基本」作法だ。芝居が面白くなくても残るべし。役者やスタッフに直接、「つまんねえんだよ」と云えばいい。その批判の内容の浅い深い、もしくはその日の劇団員のテンションや体調、気分によって、マジメに相手にされたり、聞き流されたりするが、そういうこともテント芝居を観に行くことの醍醐味なのだ。