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幻の単行本

 まったくメディアはどうしようもない。

 あちこちで、私と某芸人との対談を望む声が見られるが、そもそも対話が成立するわけがない。
 私は100%マジだが、あちらさんは100%ギャグでやっているのだから。
 もちろん日本を代表する革命家たる私は、お笑いだろうが演劇だろうが、およそあらゆる話題に対応できる、つまりあちらさんのフィールドなりレベルなりに私が合わせることは簡単だが、右翼思想についても左翼思想についても一度も真剣に我がこととして考察の対象にしたことがないであろうあちらさんは、こちらのフィールドやレベルに合わせることはできないはずだ。単なる芸人なのだからそれでいいっちゃあいいんだが、単にお笑い芸人としても彼を否定的に評価している私は、向こうのレベルに合わせてやろうというつもりがない。
 要するに、そんな対談が実現したとして、私は痛くも痒くもないが(メリットもないが)、あちらさんにとっては100%マイナスだ。そんなことは、あちらさん自身がよーくお分かりだろう。だから、そんなものはまず実現しない。

 しかし素人さんがこの対談を望むのはまあ仕方がないとしても、プロの編集者がそれと同レベルの発想しかできないのにはもう腹を切って死ぬべきだとしか云いようがない。
 実は、二つの雑誌からほぼ同時に、この対談の打診がある。
 私は「まあ別にかまいませんよ」と応じたが、「しかし向こうが断ると思いますけどね」とイヤミを付け加えておいた。
 どっちかで対談が実現するかどうかは分からない。
 せめて「外山・石原」対談くらいの企画は思いつかんもんかね。
 雨宮処凛氏とも対談した石原氏だ。“キワモノ”だからと云ってそれだけで断りはすまい。それなりの雑誌が、ちゃんと打診すれば、充分実現する企画だ。
 お互いファシストだし、しかも都知事選の勝利者同士だ。一緒になって浅野攻撃で盛り上がったりしたら、衝撃的な読み物になるだろう。

 そんなわけで昨今のメディア関係者のレベルはどうしようもない。
 実は都知事選の前、いくつかの出版社に、なんでもいいから私の本を出さないかと持ちかけた。
 私の過去の経歴も付して、絶対に注目されるから、告示直前に刊行すれば必ず売れる、と。
 反応はまったくなかった。
 やってれば売れたのにね。
 やっぱり腹を切って死ぬべきだね。

 この幻の単行本企画、『アナーキー・イン・ザ・選挙』と題して、前半は、都知事選を機に「こいつは一体どういうヤツなんだ!?」と関心を持った向きに応える経歴篇、後半は、都知事選以前に私がおこなった三度の選挙運動(私自身が立候補したわけではないものも含む)について詳述、という構成になる予定だった。
 あちこちに打診している時点ですでに前半は完成していたのだが、後半は結局書かずじまいとなった。つまり、過去の三度の選挙運動についてはまだ言及しないまま、プッツリ終わる未完成原稿だ。
 後半部分は、これから書こうとしている今回の二つの選挙を含めた一連の活動の総括本と重なるからその刊行を待ってもらうとして(もちろんどこからも打診はなく、とりあえず書き上げてどっかに売り込もうとしているだけだ)、前半部分については、もはや今さら使い道がない。
 というわけでこれも近日中に、
 http://www.warewaredan.com/
 で公開するから、カツモクして待て(というほど大した内容でもないんだが。まあぶっちゃけ内容はどーでもいいんだ的に、自分で自分に便乗しようとしただけの原稿だし)。
 自作自演のインタビュー形式で、まだ素の原稿だから「小見出し」みたいなものも付けてなくてひたすら読みにくいだろうが、まあ。

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» 外山恒一と鳥肌実。噛み合う訳がない対談を持ちかける出版社(笑) 送信元 [naos sound web] blog
外山と●肌の対談企画考える出版屋ってアホだわなぁ・・・。 [詳しくはこちら]

コメント (5)

恥ずかしながら 自分は そんな対談あったらいいなぁ、
とおもっとりました。

「メディア」は多数派の拡声器ならば ニーズがあっての
打診ではないでしょうか。

どちらにしろ単行本企画に喰いつかなかった
メディアは阿呆です。
今、外山先生の著書 在庫切れ続出になってますよ。

匿名で:

>>もちろん日本を代表する革命家たる私は、お笑いだろうが演劇だろうが、およそあらゆる話題に対応できる、つまりあちらさんのフィールドなりレベルなりに私が合わせることは簡単だが

お笑い芸人を馬鹿にしすぎだし、失礼です。人を笑わせることの難しさも知らない人間は黙ってください。

机竜之介:

石原のような権力者をネタに徹底的にコケにして笑いを捕るのが芸人魂ってもんじゃないのかね。

お笑い芸人なんてのは、もし石原と対談なんてことになったら、ちぢみあがってゴマスリくらいしかできないのだろう。

お笑い芸人は権力の手先、つまりはザコなのよ。
ザコ相手に対談なんかできるかってことですな。

helltaco:

オレもメディアの端くれなんだけどね、、、
もしかして、その芸人は鳥肌実ですよね。
オレの友人も、それを見たいと言ってるやつがいるが、、
「次元が違うよ」と言ってやりましたよ。

鳥肌のは、お笑いとしても、、30年くらい前のビートたけしやタモリほどの毒もないですね。ノスタルジックな右翼ノリ+お下劣は、失笑ものです。
対して、外山氏は、右とか左ってな、血液型診断がごとき単純でアホ丸出しな区分けを超越してる、いまの時代を見極めた思想と思えます。
次元が違い過ぎですよね。

でも、やっつけちゃってもオモシロいかもしれませんね。

某19歳:

全くの又聞きで恐縮ですが、
鳥肌実氏が、芸の披露会(?)で、外山さんの事を
「あのハゲの真性キチ○イ」呼ばわりして罵倒し倒していたそうです。

ある意味「認定おめでとう」を言うべきなのでしょうか(?)

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2007年05月02日 00:07に投稿されたエントリーのページです。

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