獄中短歌「百回休み」004
自称記者が自称新聞記事により自称報じたおれの職業
私は『西日本新聞』を許さない。
私が逮捕された時、「自称執筆業の外山恒一容疑者」などと報道した。
当時すでに七冊の著作があったとはいえ、たしかに私は文筆で完全に生計をまかなうには至っていない。それで食ってるかどうかが「自称」か否かの基準だというなら納得してやってもよい。
しかし『西日本新聞』はそれまでにも何度か私の活動を記事にしたことがあり、その際は「フリーライターの外山さん」としていた。それで食ってないなら自称だというなら、最初から「自称フリーライター」と書くべきだろう。てめえらの基準は、逮捕されているかどうかなのか。
というわけで私は『西日本新聞』を許さない。
実は他紙の報道もほぼ同様だったらしく(過去に「フリーライターの外山さん」として紙面に何度か登場させていたことも同様)、新聞社の良識なんてしょせんその程度のものなんだが、私が獄中でたまたま目にしたのが『西日本新聞』で、その時の屈辱が忘れられないのだ。