外山恒一2026逮捕事件の概要

2026.08.03



 これぞ「法の下の不平等」!ともいうべき異常な事態が生じている。
 2025年10月22日未明、ある男が、自分の左手小指を切断し(いわゆる「指詰め」である)、それを封入した小瓶を持 参して、東京都杉並区高円寺にあるバーを訪れた。男はバーの代表者にくだんの「小指入り」の瓶を無理矢理おしつけるように 受け取らせると、自分たちのグループに対する批判的な態度を改めるよう要求を伝え、店から立ち去った。
 この出来事から約5ヶ月後の2026年2月28日、くだんのバーの代表者が逮捕され、「脅迫」罪で起訴、6月1日現在も なお身柄を拘束された状態で裁判に臨んでいる[註.この文章が書かれて少し経った同年6月10日、保釈された。拘束期間は102日の長き に及んだ]。

 お気づきだろうか?
 「脅迫」事件の犯人として刑事裁判にかけられているのは、切断したての小指入りの瓶などという物騒なブツを持参し自らの要求に従うよう 迫った側の来店者ではなく、そのように迫られた側であるバーの代表者なのである。
 普通、逆ではないのか?
 例えばこんな事件をたまに耳にする。半ば右翼、半ばヤクザのいわゆる「任侠系右翼」の活動家が、自分の指を切断し、それを左派系・リベ ラル系の政治家のもとへ持参するなり郵送するなりして、政策の変更を要求する……。
 確実に逮捕・起訴される案件である。それこそ「脅迫」罪か「威力業務妨害」罪。執行猶予がつかず実刑を言い渡されることも充分あり得 る。
 自分たちのグループに対する批判的態度を改めるよう、つまり一種の政治的な要求をおこなった、くだんの来店男に対しても、司法当局が同 じような措置を講じたとしても何ら不思議ではないし、むしろ講じるべきだろう。
 しかし、くだんの「指詰め来店」男の側は、現在に至るも一切のお咎めなしで「野放し」状態なのである。
 それとは対照的に、「指詰め脅迫」事件の被害者であるはずのバー代表の側が、「脅迫」容疑で逮捕・起訴そして数ヶ月に及ぶ身柄拘束を現 在も受け続けている。

 一体何が起きているのか?
 バー代表者は、くだんの「指詰め来店」男が所属するグループのリーダーに、謝罪を求めるメールを複数回にわたって送信し た。うち2通に含まれる文言が「脅迫」に当たるとして、逮捕・起訴されるに至ったのである。
 いや、ちょっとおかしくはないか?
 仮にその謝罪要求メールの文言が穏当を欠き、「脅迫」の様相をいくぶん帯びていたとしても、しょせん「たかがメール」で ある。しかもたった2通
 そして実際その文言は、謝罪を頑なに拒む相手方の姿勢にキレて次第にヒートアップした挙げ句の「全力で復讐する」とか「地獄に突き落と す」などの激しい表現は見られるものの、「刺す」とか「殺す」とか「家に火をつける」といった具体的な加害の意思を示唆するものではな く、要は「謝罪しなければタダでは済まさないぞ」という類の抽象的な、まあ脅しと言えばそう言えなくもないのかなあ、という程度のものな のである。
 片や「その程度」の言動によって大袈沙に逮捕・起訴、片や普通は即座に逮捕・起訴されて実刑判決を言い渡されてもおかしくないような本 格的な「脅迫」事件を起こしておきながら、お咎めなし。
 どう考えてもおかしい。
 そしてさらに驚くべきことに、この珍事件の当事者たる「指詰め男」と「バー代表者」、実はそれぞれ一部のシーンでは多少なりとも存在を 知られる、ちょっとした有名人だったりする。
 「一部のシーン」とは、どう表現すべきか、アングラ政治シーン、インディーズ政治シーン、あるいはマイナー政治シー ン……。

          ※

 相対的には「バー代表者」の方がずっと有名だろう。2通の謝罪要求メールを送信したことが「脅迫」に当たるとして逮捕・起訴されている 側である。
 外山恒一氏
 2007年の東京都知事選に立候補し、「政府転覆」を訴えながら最後にカメラに向かって中指を突き立てた過激な政見放送は、黎明期の YouTubeで爆発的に拡がり、「スクラップ&スクラップ」や「当選したら、私もビビる」などの演説フレーズは、当時のネット上で一種 の流行語と化した。近年、稀に当選者を出すにまで至っている売名立候補や「選挙ジャック」的な選挙便乗行為が社会問題化しているが、外山 氏の2007年の政見放送こそはその原点であると言われる。世間一般的な有名人ではなかろうが、「インディーズ政界」での知名度はきわめ て高く、また著作も多数あって、約20年を経た今なお熱烈な支持者も多い。
 一方、「指詰め男」の方も「インディーズ政界」で売り出し中の「新人」なのである。
 通称「アキノリ将軍未満」氏。この名前で2024年夏の東京都知事選に立候補した。この都知事選には50 数名の候補者が乱立し、よほどの個性を打ち出さなければ埋没してしまった感があるが、もしかしたら、アクリル製の奇妙な「兜」を頭に乗せ て都内各所で街頭演説をしていたアキノリ氏の選挙戦を記憶の隅にとどめている人もあるかもしれない。
 それにしてもなぜ新旧の「インディーズ系」都知事候補が2人も登場し、しかも揉めているのか?
 実はこの2人、今回の事件が起きるはるか以前からの知り合いで、ごく最近まではかなり良好な関係にあったのだという。とくにアキノリ氏 の側は長らく外山氏を「師匠」と呼んでおり、都知事選の政見放送も、明らかにかつての外山氏のそれを意識したものだった。ただし外山氏の 側はアキノリ氏を「弟子にした覚えはない」そうで、2011年ごろに半年間ほど自宅に居候させてやっていただけ、「師匠」呼ばわりは多少 迷惑だったが放置していたのだと現在では明言している。
 師弟関係であったのか否か、双方に認識の齟齬がありそうだとはいえ、少なくとも表面的には良好な関係にあった両氏が決裂した背景には、 この事件の第3の登場人物、フェミニズム活動家の通称「775(ななこ)りす」氏と、外山氏との対立があ る。
 この775りす氏も、そもそもは外山氏の「弟子」の1人で、外山氏が2014年から頻繁に福岡市で開催している若者向けの革命運動史レ クチャー合宿(通称:外山合宿)の参加者である。外山氏と対立する以前は、775りす氏は外山氏の「弟子」であることを公 言しており、外山氏の側も、同合宿の参加者たちについては自身の「弟子」だと公認している。アキノリ氏と違って、775りす氏の方は、外 山氏公認の「弟子」の1人だったわけだ。

 やはりくだんの合宿の出身者の1人で、外山氏の「弟子」であることを公言している「性別破壊党」主宰の阿部智恵氏は 言う。
 「外山先生と775りす氏との対立は、一昨年(2024年)の夏ごろから始まっていたようです。その少し前の時期に合宿に参加した 775りす氏は当初から外山先生の『熱烈な信奉者』として現れ、合宿修了後も先生の活動周辺にしきりに出没するようになりました。やがて 恋愛的な磁場が発生して、上手くいきそうな気配もあったようだけど、結局は破綻してしまった、というのが対立の発端のようです。犬も食わ ないような痴情のもつれの類ですよ。
 ところがこれが急速にお互いの運動上の対立に転化していくんですね。合宿出身者は今や全国に400〜500人もいるんですが、外山先生 への心酔度にはかなりのバラつきがあって、むしろ先生への反感を募らせているような人、とくに心酔してるわけではなく、単に先生の学識や 活動インフラのおこぼれに与かりたいというだけの人さえ含まれているほど。外山先生と険悪な関係になってしまった775りす氏は、 合宿OB・OGのネットワークを利用して、外山先生に反感を持っている人、離反しはじめている人たちを自分が結成したフェミニズム団 体やその関連グループに盛んにオルグ(勧誘活動)するようになりました。合宿出身者だけでなく、外山先生の古くからの友人・ 知人もかなり、自分の仲間に引き入れました。775りす氏は外山先生との関係が良好だった時期に、先生の活動周辺に出没して、それらの人 たちとすでに知り合っていましたからね。
 外山先生は普段は東京におらず、本拠地の九州にいますから、外山先生が東京を不在にしている間に、先生が長年かけて東京に作り上 げていた運動基盤の一部を、775りす氏が乗っ取ってしまう形になったわけです。アキノリ氏もその過程で、外山先生の陣営か ら775りす氏の陣営に乗り換えた1人です」
 外山氏と775りす氏との対立は当初、水面下で急速に激化していき、互いにメールで非難の応酬をくりひろげていたが、それが表面化し、 いわば外山派vs775りす派の激烈な抗争が勃発したのが2025年夏のことだったという。
 「東京・高円寺に外山先生が『代表』を務めるバーがあります[註.この逮捕事件のあおりで、2026年5月末日閉店]。先生が常駐して いるわけではなく、例の合宿に参加した人を中心に、日替わりでバーテンを務めているバーです。そこに775りす氏が訪ねてきたんですね。 もちろん外山先生が九州にいて店を不在にしているタイミングです。775りす氏は店内の壁に貼られている先生のポスターに中指を突 き立てる写真をXにアップして、外山先生や、775りす氏自身もさんざん世話になったはずのくだんの合宿について誹謗中傷するコメン トをつけたんです。
 これに外山先生はついにキレて、やはりX上で『全面戦争だ!』などと怒りをぶちまけ始めました。それに対して775りす氏は、『今さら 何を言ってるの? ポスターに中指を突き立てた写真をアップした時点で、こっちは宣戦布告してるのだ』とバカにしたような冷淡な返答をし ていました」(阿部氏)
 普段は九州にいる外山氏は、2025年9月以降、頻繁に上京してはバーに支持者たちを集め、まずは775りす氏の陣営に対する批判的立 場を周囲に浸透させ、直接的な物理力を行使する以外のさまざまな方法で775りす氏らに「圧」をかけ始めた。この「圧」に耐えかねたか、 775りす氏の陣営の中から暴発的にくだんの「指詰め」脅迫の挙に及んだのがアキノリ氏だった、という次第である。
 「775りす氏は外山先生を『ストーカー』扱いしていました。775りす陣営というのは要するに、775りす氏が主張する『外 山=ストーカー』説を真に受けた人たちの集団です。たしかに一見そう見えてしまいがちな側面もありました。外山先生が775 りす氏に恋愛的に執着したのが両氏の対立の始まりだと考える人は多かったと思います。
 しかし、775りす氏のXへの投稿を遡ると、当初はむしろ、775りす氏の側が外山先生に一方的に恋愛感情を抱いたから こそ合宿に参加を申し込み、修了後も外山先生のそばにまとわりついていたという経緯が分かります。それを踏まえると、むしろ775りす氏 が、あらかじめ想定していた恋愛の進行プランと違う形で求愛に応じてきた外山先生に対して、熱が冷め幻滅した勢いで逆恨み的に誹謗中傷を 始めたのではないか、という見方もできるんです。
 いずれにせよ、本当のところは当事者2人にしか分からない、もしかしたら当事者たちにさえ分からないことで、775りす氏側の言いぶん だけを鵜呑みにして外山先生を『ストーカー』呼ばわりする、アキノリ氏をはじめ775りす陣営の人たちは本当に愚かだと思います」(阿部 氏)

 アキノリ氏は自分の小指入りの小瓶を外山氏に押しつけて、775りす氏の陣営に対する攻撃をやめるよう、外山氏に迫ったのだという。い わば775りす氏という「姫」をお護りする「騎士」を気どったのかもしれない。
 ちなみに、その事件のあった2025年10月22日は、アキノリ氏の39回目の誕生日だった。
 「それに気づいてどっと疲れましたよ」
 そう言うのは、この事件のあった夜、同店で日替わりバーテンの任に就いていたH氏である。くだんの合宿の出身者ではない が、外山氏の長年の密接交際者の一人だ。アキノリ氏の事件の夜は、H氏も外山氏と二人でカウンターに入っていた。H氏もアキノリ氏とは面 識があったという。
 「アキノリが店から立ち去ってしばらくして、そういえば何か『声明』とか出しているんじゃないかと思って、自分のスマホで Facebookを開いたんです。そしたらすかさず、『今日はアキノリ将軍未満さんの誕生日です!』って『お知らせ』 が……。だって『指詰め』なんて本来、『自分を捨てて』やるものでしょ? よりにもよって誕生日にやっちゃダメですよ。それじゃあ『オレ の物語』を盛り上げるためのダシに他人を巻き込んだことにしかなりません。それは何より外山さんに失礼ですよ。
 『小指入りの瓶』なんて不衛生なブツを持ち込まれること自体、飲食店としては大迷惑だし、なおかつアキノリは、店の看板の前で『指詰め 記念写真』を撮ってXに上げていて(数十万のアクセスあり。現在も削除されず)、そういう物騒な店なのかと誤解されるわけで、完全に営業 妨害でもありますから、店として訴えてもよかったんですけどね。運営陣でミーティングをもって、却って注目を浴びるヤブヘビの結果を招き かねないということで、店としては対応しないという結論になりました。しかし、たまたま私がバーテンの日だったから良かったようなもの の、女の子がバーテンに入ってる日だったらPTSDになってたかもしれませんよね。
 今度(6月21日告示・同28日投票)の杉並区長選に出るという上梨裕奨とかいう男も[註.杉並区長選への出馬は断念さ れ、同時期に実施された杉並区議補選に出馬]、アキノリの部下として『指詰め来店』に同行していました。上梨氏は大きなビデオカメ ラを構えた状態でアキノリの後ろから入ってこようとして、外山さんに追い返されました。きっと『小指入りの瓶』を突きつけら れて外山さんが動顛して取り乱す姿でも想像していて、それを動画に収めてYouTubeにでもアップして晒すつもりだったんでしょう。完 全に『迷惑系YouTuber』のノリで、そもそも『指詰め』ってそんなに軽薄な行為ではないはずです」(H氏)
 いずれにせよ、外山氏の「メール2通送信事件(?)」と比較して明らかに違法性の高い本格的な「脅迫」事件に思われるのだが、これが立 件されなかった理由として、そもそもアキノリ氏を挑発して「指でも詰めてこいや!」とXに投稿したのは外山氏だからだ、とも言われてい る。
 「馬鹿げた見方ですね。アキノリは外山さんの投稿をわざと曲解して、ここでほんとに指を詰めたら話題になって注目を集められると計算し ながら、かつ外山さんを脅迫しようとしたというのが実相でしょう。
 そもそもアキノリは『将軍』がどうこう自称していて、つまり『武士』のつもりなんでしょ? かつ外山さんのことを長らく『師匠』と呼 び、『弟子』を自称してた。『武士』にせよ『師弟』にせよ封建道徳の世界です。が、もし弟子が、師匠のお考えは間違っていると感じた場 合、普通どうするものですか? あくまでもまずは師匠を立てて、師匠の側に踏みとどまった上で、考えを改めていただけませんかと説得を試 みようとするでしょう。自分では貫禄が足りないと思うなら、誰か一緒に師匠を説得してくれる人を探してもいい。ところがアキノリは、いき なり駆け出しの自称フェミニストのお姉ちゃん(775りす)の側に全面的に身を投じて、『師匠』への誹謗中傷に唱和しはじめた。とうてい 『弟子』の名に値しない裏切りです。それを外山さんは、『武士』だの『師弟関係』だの言ってるんなら、あくまでオレの側に踏みとどまっ て、『腹を切る』なり『指を詰める』なりして『無益な争いはおやめください』とでも『師匠』を諫めりゃよかったじゃないか、と嘲笑したわ けです。アキノリは最初から『師匠』を裏切って敵側に身を投じてるんですから、今さら指なんか詰めたところで遅いけどな、という前提での 嘲笑ですよ。いずれにせよ『指でも詰めたら?』と言われたのを真に受けて本当に指をちょん切ってくるなんて、バカでしょう。そもそも『指 詰め』なんて他人に言われてやることじゃなくて、一人で孤独に思いつめて決断することです。まして自分の誕生日に、撮影スタッフ同伴です ることではない」(H氏)

          ※

 775りす氏の陣営の側からの、外山氏に対する明らかに違法な攻撃は、このアキノリ氏の「指詰め」脅迫事件だけではない。 他ならぬ775りす氏その人が、明白な「犯罪」攻撃を外山氏に仕掛けている。
 2025年11月23日、東京ビッグサイトで大規模な文芸同人誌即売会が開催された。いわゆる「文学フリマ」、通称「文フリ」である。
 この日、775りす氏も自身の主宰するフェミニズム団体のブースを出し、何種類かのオリジナル出版物を販売した。その中に、775りす 氏と外山氏との約1年4ヶ月におよぶ私的なメールのやりとりを完全収録したA5判・140ページほどの冊子が含まれてい た。140ページほどといっても、活字が小さいので、おそらくはゆうに普通の単行本1冊分の分量があろう。もちろん、外山氏側には無断で の刊行である。
 メールの「やりとり」ではあるが、分量的には外山氏:775りす氏はおそらく9:1くらい、もしかすると9.5:0.5とかであるかも しれず、つまりほとんどが外山氏の文章である。外山氏に無断での冊子化という時点でそもそも法的に完全にアウトだが、しかも外山氏はれっ きとした商業出版社から十数冊の著作を刊行しているプロの文筆家である。もともと「売り物」になる文章を書く人なのであり、しかも「イン ディーズ政界」や「インディーズ思想界」のちょっとした有名人でもあって、いくら775りす氏が斯界でほぼ無名の人物であっても、外山氏 の私的なメールの内容を暴露する冊子であることを宣伝すれば、それなりに売り上げも期待しうるだろう。実際、775りす氏はくだんの冊子 を「1冊1000円」というそこそこの価格設定で販売している。
 収録されているメールがやりとりされた期間は、両者の間に恋愛的な磁場が濃厚となり始める頃から、次第に行き違って不可逆的な対立が深 まっていく過程ということだから、つまりその前半部の一時期の外山氏のメールは、775りす氏へのラブレターの様相を呈してもおり、常識 的に考えて、外山氏にとっては第三者の目に触れさせたくない類の文章であろうと思われる。そして775りす氏は、それら外山氏の大量の メールの末尾にいちいち、後づけ的に外山氏への敵意を露わにした「解説」を付している。つまり「悪意ある編集」が施されているのは明らか であり、決して公開されたくないであろうものを無断で公開している点も併せて、「名誉毀損」罪に当たる可能性が極めて高いと思われる。
 が、「名誉毀損」に当たるかもしれないというのはあくまでも「可能性」で、それは、外山氏が775りす氏に送信した2通の謝罪要求メー ルが「脅迫」に当たるか否かという話と同程度の「可能性」ではあろう。しかし「名誉毀損」はともかく、私的メールの無断冊子化・販売それ 自体が明らかに著作権法違反の犯罪行為である。「グレー」とかではなく明確に「クロ」。違法行為だとは思わなかった、と いった弁解が通用しない、故意性の明らかな確信犯の犯罪行為だ。
 外山氏の側からの775りす氏の側への攻撃には、言葉のチョイスがいくぶん乱暴であったりして、「脅迫」に当たる「かもしれない」、犯 罪「かもしれない」行為は散見されるものの、どうにも弁解のしようのない100%アウトな違法行為は含まれていない。対して、775りす 氏の側から外山氏の側への攻撃には「100%アウト」の明白な犯罪行為が、アキノリ氏の「指詰め」脅迫事件と775りす氏による確信犯的 な「著作権法違反」事件と、少なくとも2つ含まれているのである。にもかかわらず、逮捕・起訴され長期の身柄拘束を受けているのは外山氏 の側であり、アキノリ氏と775りす氏の犯罪は立件されず、野放しにされているのである。
 これほどまでにあからさまな「法の下の不平等」も珍しいのではないか。
 たしかに著作権法違反はむしろ民事のイメージが強いが、刑事事件となる場合ももちろんある。逮捕されるケースもないわけではない。外 山氏の側が「たかがメール2通」で逮捕・長期拘束されていることを考えれば、より違法性が明確で故意性も明らかなこのケースで775 りす氏の側が「野放し」にされているのは、明らかに公平性を欠こう

          ※

 なぜこんなことになったのだろうか?
 「そりゃあもちろん、『ポリコレ』が背景にあるからですよ」
 そう断じるのは前出の「性別破壊党」阿部氏である。ポリティカル・コレクトネス、すなわち女性や子供、障害者、外国人その他、「社会的 弱者」やマイノリティとされている人々への配慮を求める風潮である。これが近年「行き過ぎ」ではないかと反発する人々は、略して揶揄的に 「ポリコレ」と呼ぶことがある。
 「要は、775りす氏が『女』だからです。実はこの抗争に最初に警察を介入させようとしたのは外山先生の側で、つまりアキノリ氏の『指 詰め脅迫』事件について、まず外山先生が警察に相談したんです。775りす氏サイドはこれに慌てて、外山先生を『ストーカー』として警察 に突き出した。この時点でもう、このポリコレ蔓延社会では外山先生の『負け』です。『若い女』である775りす氏が『中年男性』の外山先 生を『加害者』として警察に突き出したら、警察はもう外山先生の言いぶんなど一切聞こうとしません。その結果、アキノリ氏さえ野放しで す」(阿部氏)
 外山氏が「指詰め」脅迫事件について警察に被害相談をしたのが2025年11月1日ごろ、その後、ほどなく775りす氏が外山氏を「ス トーカー」として警察に被害相談したことを窺わせる投稿をXにおこなっている。外山氏が「ストーカー」の嫌疑で警察に任意出頭を求めら れ、これに応じたのが同11月26日である。警察側はこの日、ストーカー規制法に基づく「警告」を外山氏に対して発しようとしていたよう だが、たまたまこの3日前の文フリで販売された、775りす氏による「著作権法違反」刊行物を外山氏は入手しており、「不当な攻撃を受け ているのはこっちだ!」と強硬に主張したため、警察側が押されて「警告」を断念し、「もしこのまま揉め事がエスカレートすれば、いずれか の時点で『警告』を発しなければならなくなる可能性がある」との見解を表明するにとどめたようだ。その後しばらくおいて、2026年2月 上旬、外山氏は775りす氏による「著作権法違反」事件についても、警察に被害相談している。

 そして2026年2月28日未明、外山氏は突然、逮捕された。
 「775りす氏が毎週、新宿駅前の小さな広場で開催している路上集会の様子を、外山先生が撮影しに行ったためです。775りす氏 がその場で警察に通報し、駆けつけた警官に『この人は私のストーカーです』と告げたそうです。もちろん路上での公然集会を撮 影することそれ自体が違法というわけはありませんよね。外山先生は、775りす氏陣営に参加している連中を個々、特定するための資料とし て路上集会の様子を撮影しに行ったんです。『レイシスト』と『アンチファ』がお互いやっているのと同じことで、それだけで逮捕されるなど あり得ませんし、相手方の行動の無断動画撮影は、実は775りす氏側も外山先生に対してやっていたことです。先生も、駆け つけた警察官が事情聴取と称して引き留めようとするのを『任意だろ?』と振りきって、いったんは高円寺のバーに戻ったそうです。しかしや がて、775りす氏がもともと『被害相談』していた部署が慌てて動いたようで、すぐさま逮捕状を取って、数時間後に外山先生を逮捕しに来 たというわけです」(阿部氏)
 ということは、あくまでも合法的な撮影行為をやめさせるために、急遽「別件」で逮捕したことになりそうで、これもまた大 いに問題があるのではないかと思われるのだが、ともあれ、この逮捕の時点で外山氏にかけられていた容疑は「ストーカー規制法違反」だっ た。しかし検察側は結局、同容疑での起訴を断念した。
 「当たり前でしょう。そもそも外山先生と775りす氏とは、『お互いに』攻撃し合ってたんです。しかも先ほど言及したように、抗争が本 格化する契機となった『宣戦布告』は自分の側からおこなったんだと775りす自身がはっきりと言っているんです。それをまるで自分が一方 的な『ストーカー』の被害者だなんて、そんなムシのいい話が通用するわけがありません。それに775りす氏は自身のサイトで公開した文章 で、『先に警察を介入させたのは外山だ』と非難がましく書いています。これは裏を返せば、仮に外山先生からのメールその他のアプローチを 775りす氏が鬱陶しく感じていたとしても、それは先生がアキノリ氏を警察に突き出しさえしなければ受忍しうる程度のものだったと自ら認 めているものです。もっとはっきり言えば、775りす氏は、外山先生がアキノリ氏を警察に突き出したから、その報復として、先生を『ス トーカー』だなどと、本当は思ってもいないことを言って、つまり『虚偽告訴』をおこなった疑いさえあると私は見ています」(阿部氏)
 ちなみに「虚偽告訴」罪の法定最高刑は拘禁刑10年。同1年の「ストーカー規制法違反」や同2年の「脅迫」罪よりもはるかに重大な犯罪 である。

 ともかく外山氏は最終的に、「ストーカー規制法違反」ではなく「脅迫罪」に罪名を切り替えた上で起訴され、すでに3ヶ月も身柄の拘束を 続けられながら裁判に臨んでいる。常識的な感覚からすればそもそも刑事事件としてわざわざ立件されることもあり得なさそうな、少々強い調 子での謝罪要求メール、しかも相手側に「指詰め」脅迫や「著作権法違反」など謝罪を求められて当然の事情が存在するにもかかわらず、なぜ その程度のことで逮捕・起訴、長期拘束なんてことになっているのか、ご理解いただけたであろうか? 要は、「ストーカー」だと思っ て逮捕したらどうもそうではなく、「ストーカー」では起訴できないと断念した検察側の意地や悪あがきで、どう考えても無理筋な、「脅 迫罪」での起訴と相なったというわけだ。そして検察が自動機械的に身柄拘束の延長を裁判所に申請し、裁判官も自動機械的にそ れを追認するメクラ判を捺し、その結果としての超微罪による長期拘束、近年つとに国際的に問題視されている日本独特の「人質司法」のレー ルに外山氏も乗せられてしまったのである。
 「これほど分かりやすく不当な拘束も、なかなか他にないと思います。何が不当と言って、外山先生の周囲には、いわゆる『リベラル』な知 識人・文化人・活動家も大勢いるはずなんですが、ほとんど誰も声を上げようとしないんです。彼らは総じて左派ですから、『ポリコレ』に縛 られていて、『若い女』が『中年男性』を『ストーカーだ』と告発している事件で、『中年男性』の側を擁護することになりかねない言動は絶 対に避けようとします。何かおかしなことが起きていると勘づいてる人はいるはずなんですが、同時に、下手に関わると『ポリコレ』に抵触し そうだということも、敏感に勘づいていて、見て見ぬフリをするわけです。しかし本来なら、国家権力の恣意的な行使を許さない立場で あるはずの『リベラル派』こそが大騒ぎすべき事案なんです。だって検察すら『ストーカー』扱いは無理だと判断したのに、その 筋書きに縛られ続けるリベラルってなんですか?
 検察は即刻、この不当な起訴を取り下げるべきです。さもなくば、法の下の平等の観点から、外山先生の『2通のメール』以上に犯罪性の明 確な、『指詰め脅迫事件』のアキノリ氏と『著作権法違反事件』の775りす氏のほうも逮捕・起訴すべきです」(阿部氏)

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 この絶体絶命の状況に外山氏もさぞ落ち込んでいることだろうと思いきや、外山氏を支援するグループによれば、獄中の外山氏は意気軒昂 で、「『ポリコレ』が蔓延する以前の昭和の御代ならこんな弾圧はあり得なかった。正義の基準を昭和に戻せ!」と息巻きながら、昭 和の価値観と美意識に照らして間違ったことは一切やっていない。私はさしづめ、むしろアムネスティ的な連中に迫害され ている『昭和の良心』の囚人だな」などと自慢げでもあるという。支援者は語る。
 「外山氏はもともと極左の活動家でしたが、90年代を通してまずは左翼シーンに急速に広まったポリコレの風潮に反発して、2000年代 初頭に左翼運動と訣別した人。以来ずっと『反ポリコレ』は彼の活動の根底にありました。しかしそもそも文筆の才能はもとより、話術やら音 楽やらお笑いやらと多彩なので、自分の活動にそれらエンタメ的な味つけをして、つい『面白く』してしまう。だからこそ根強い人気を保って もいるのですが、表面的な『面白さ』だけに惹かれ、『反ポリコレ』をはじめ彼の真面目な主張をまったく理解していない人も大量に寄せつけ てしまっていました。元はといえば『若い女弟子』たった1人の造反があれよという間に拡大した背景には、そうした『才能ゆえの失敗』が あったと考えるに至っているようです。もちろん外山氏は遅かれ早かれいずれ釈放されるわけですが、シャバに復帰したら、今後は自分の活動 からエンタメ的な要素をなるべく抑え、真面目な主張を前面に打ち出して、『左傾ポリコレ警察国家』打倒のために残りの人生のすべて を捧げるとの決意を固めているようです」