オリジナル曲「敷石をはがせば」解説
宝島社『バンドやろうぜ』94年10月号 連載「がんばれROCK革命左派」第2回
これを書いているのは7月31日。前回募集した読者諸君のオリジナル曲は、当然のことながらまだ一つも届いていない。というわけで、今回と次回は、読者の曲にぼくが詞をつけるという連載主旨から離れ、ぼくがこれまで自分で作詞・作曲した数少ないオリジナルを取り上げることにする。読者のオリジナル曲は引き続き募集しているので、自信作をがんがん本誌編集部まで送りつけてもらいたい。
今回取り上げる「敷石をはがせば」は、「がんばれROCK革命左派」という自らの音楽的政治方針をはっきりと自覚した今年1月に作った、ぼくのオリジナル曲の中でも、もっともこの連載にはふさわしいものである。
曲調はブルーハーツそのもの。作曲に関するオリジナリティのなさには自信がある。コード進行もC、Am、F、Gのくりかえし。むずかしいところは一つもない。
(歌詞全文)
さて「がんばれROCK革命左派」の戦略とは、「パッと聴いただけではフツーのがんばれROCK――つまり青春応援歌なのだが、知らず知らずのうちに聴いている者が、社会からドロップアウトする方向でがんばってしまう」というものである。
この「敷石をはがせば」など、一番の詞だけでは、なんだこれはB〇K〇かJ(〇)Wかと見まごうばかりだが、2番に入ると、非常に巧妙な云い回しで、聴く者に学校をやめる方向でがんばっていただこうとの意図が表現されていることに、賢明なる読者は気づかれるだろう。さらに3番。これは、警官隊との衝突の際に敷石を砕いて投石した経験を基にした68年のフランス五月革命時の有名な落書「敷石の下は砂浜だ」から想を得たものである。青春応援フレーズから、退学の奨励へ。「がんばれROCK革命左派」のお手本とするにふさわしい出来である。すばらしい。
ところで全然関係ないが先日「九州公安調査局」という反体制運動を監視する日本政府直属の調査機関が、ぼくの福岡での活動を秘密に調査していた事実が明るみに出て、福岡の新聞・TVで大々的に報道された。これなどはCIAだかFBIだかに活動を監視されていたジョン・レノンの境遇を想起させる、「がんばれROCK革命左派」指導者の面目躍如たる事件と云えよう。どうだすごいだろうと自慢しつつ、また次回。