勾留理由開示法廷 傍聴記(2007年6月21日)

『外山恒一の裁判を傍聴してきました。』 

9時30分

鹿児島空港から車で40分ほどの鹿児島地裁。所内に入ってすぐ、案内デスク横の掲示板で本日の開廷情報を見る。203号室の告知に注目。手書きで枠が追加され、外山恒一の開廷情報が丁寧な字で書き足されている。臨時の公判だったらしい。

「開廷表 平成19年6月21日木曜日 鹿児島地方裁判所 刑事部 203号法廷」

「開始 10:00 終了 10:15 事件番号 事件名 平成18年(わ)第182号 平成18年(む)第199号 勾留理由開示 被告人 外山恒一 予定 【←この欄が空白。予定は未定ということか】書記官 土井」


『開廷待ち』
9時40分

203号室は2階。本日、他の裁判はみな午後のためか、まだ2階は電気が消えて薄暗い。


『いよいよ開廷か』
9時47分

スーツの女性が内部からドアを開けた。中では法衣の書記がこれから始まる裁判について電話で打ち合わせをしている。

法廷の奥に、一般傍聴人の出入りできないもう一つの部屋がある。被告人控え室だろうか。

映画館のような椅子に座る傍聴人は、司法学生らしきスーツ男女と 裁判所のスタッフらしい中年私服男性と私の約7人。メディアも弁護士もいない。


『外山入廷!』
10:00

開廷しますという書記の言葉と共に、法廷正面の専用ドアから判事が入廷。みな起立する。 判事は眼鏡の若い男である。

例の、奥の部屋のドアがあく。警備3人にかこまれて外山が入廷。 黒Tシャツ、黒ズボン、少しだけ伸びたスキンヘッド。廷内を素早く見回す外山。知った顔は私だけか。外山は真面目な表情のまま、面白そうにニヤッとした。笑いをかみ殺した厳粛な面持ちで、手錠の手を前に出して直立。警備に腰紐をはずされる。紐はお馴染みのズボンのベルト通しに通っている。

三人に挟まれ着席する外山さん。

判事 :それでは開廷します。 氏名は
外山:(いつもの低い穏やかな、少しよそよそしい声で)外山恒一です
判事: 住所は
外山: えーと、熊本市本荘(以下略。つかえつつハイツ名まで述べる)
判事: 職業は
外山: 職業にかんしては黙秘いたします
判事: 生年月日は
外山: 昭和45年(以下略)


『外山起訴確定か』

判事: あなたは昨日起訴されました。近日中に弁護士選定の書類が届くと思いますので(以下略)


『判事、勾留理由を開示する』

判事: 勾留理由を開示します。(以下早口に。まず容疑と、検察側言い分を読みあげる。容疑の描写が詳しすぎて笑える。)
(略)吉野町1094で原動機つき自転車(略)また千人町13番1号にて一方通行の標識を確認したにも関わらず出口から入口に向かい原動機つき自転車を走行させ(略)

(次に判事は外山側の主張を述べる。外山曰く自分を勾留する必要ない。事件の資料はすでに警察にある。湮滅するような証拠はない。
外山は昨今の交通違反取締に大いに反対したい。
外山は高判廷に出頭する。
外山は黙秘するといっている。
高判廷にいくから逃亡はしないと言っている。

しかし(判事は外山の言い分を退ける)被告の国家機関への発言を考慮し、
また 証拠湮滅すると疑う理由も以下のとおり→犯行後の被告の心理 家族状況 経済状況 (書き取れず、略)一般に犯行にいたる情状を酌量するものではあるものの(略)
犯行直後と取り調べ時の発言一致していない。
結論→逃亡する恐れは充分にある
ケイソウ法60号 1、2、3 項に基づき 被告を勾留する検察を正当とする

被告は○○法○○条に基づきご意見を10分以内でのべてください。


外山の警察批判』

外山 のべます。(手錠をはずされた手にびっしり手書き文字の詰まったA4サイズの紙を手に立って)

(以下ところどころ略しつつ、外山陳述の要旨と雰囲気を伝えたい)…拘置は不当であります。
取り調べ担当官は「義務ではないから出頭は任意」と言った。それなのに拘置する。警察の自己矛盾。

また、黙秘権を行使すると「判決に不利になる」と脅される。おかしい。

自分は任意の出頭要請の段階から、正式に裁判で争うとおつたえした 口頭で、また2回の文書で。

逮捕以来、自分の行動は予告どうり一貫している。

これ以上自分の勾留によって捜査機関が得るものがあるとすれば、自白調書しかない。本来立件のための資料は、彼らの手元にある分で足りる。なのに自分を勾留するのは、後進国の習いであり、改めるべき、自白偏重という志向。

次に、これも改めるべき→勾留を長引かせ被疑者の心理を突こうとする、人質戦略。志布志事件にあらわれるように、これは冤罪の温床。

そういう検察なのに裁判官が検察の望み通りの判決をポコポコマンマと出す(以下略)…


『ますます勾留を不服とする外山』

まず、証拠湮滅の恐れ←何のことですか?標識をひっこ抜きますか?深夜に警察に忍び込み書類を盗みだしますか?私の想像力が足りないのでしょうか?もし他に証拠湮滅のいい方法があれば後学のため是非伺いたい。

第二に逃亡の恐れについて。逃亡は、たかが数万のためのリスクとしてはあり得ない。非現実的。常識的判断を求める。

…逮捕は不当であります。これは起訴通知前に書いたが一貫して主張は変わらない。


『15分足らずで閉廷へ…』

外山着席。

叱責覚悟で拍手するも、とめられず。小さすぎただろうか?

閉廷。警備三人が外山を囲み、手錠をかけ 腰紐を通す。時間が掛かる。

聞いてみよう。「外山さん、メッセージを」
外山が振り返ると同時に警備の眼鏡男、手刀で遮断し「ちょっと」
外山(戸惑った顔で警備をみやり)「もうちょっと。面会で」

外山と警備、奥の部屋に引き取る。傍聴人もみな退廷。


奥の部屋の明かりはまだついている。あそこに、一般傍聴人の知らない出入り口があるに違いない。外山は、どこに連れていかれたのだろう。会えないまま、法廷を後にする。こうなれば面会せずに帰るものか。次回は接見レポートにご期待ください。

スタッフ記

戻る

1/8計画 鹿児島交通違反裁判闘争

次へ


TOP